今さらながら本田宗一郎という人は、
ものすごいベンチャー精神に溢れた人だと思う。
自動車修理工として独立したのが22歳。
30になる頃には、
メーカーを目指して別会社を設立。
自動車修理会社はあっさり弟子に譲り渡す。
戦争を経て、
統制下にあった部品メーカーの業務に嫌気が差して、
これもあっさり人手に渡してしまう。
そして40歳。
いよいよ本田技研を設立する。
ちょうど10年に一度、
会社を作っては成功させ…
せっかく成功させた会社を他人に譲って、
また新しいことを始めている。
事業成功の影には
時代を見る確かな目と、
それを支える技術を習得しようとする
人一倍の執念があったことは間違いないが、
何より自分の理想とするものへの強い熱意があった。
決して儲けることだけが目的ではない。
たとえ儲かっても安穏と暮らそうとはしないし、
理想に反したことは決してやらない。
ベンチャー精神…ってこういうことだろう。
思いつきで楽して儲けることがベンチャーじゃない。
大きくなる人…
遠くまで行ける人は、その先、
そのまた先を見てる。
だけど実際に次の時代など見えるものではない。
本当に見据えているのは…
時代でも何でもなく、自分のビジョン。
結果…ビジョンを持った人が歴史を作っているんだよ、な。
参考「一冊で分かる!本田宗一郎」梶原一明=編著 PHPビジネス新書=刊