Episode No.3460(20090928):
共感を呼ぶ哲学
オバマ大統領が核廃絶を提唱した時、
同じ核保有国アメリカで核廃絶を訴えていた
平和運動のメンバーが、こう言った。
「今こそ、私たちが
オバマ大統領が広げた翼に風を送る時です」
その主張はもとより…
いい表現だな、と関心してしまった。
偉人の格言でも、
たとえ広告のキャッチフレーズでも…
心に響くのは共感を呼ぶ哲学だ。
私は決して勉強家ではないし、
まして哲学者でもないから、
哲学を論ずることなどできないけれど…
私がただ感性として哲学の気配を見い出すのは、
そこに喜びと苦しみを感じるからである。
例えば私が最初に出逢った格言。
ゲーテの
「試練は年齢と共に高まる」
…という言葉には、
成長の喜びと同時に
責任が高まってゆく辛さの両面がある。
「翼に風を送る」…という言葉にも、
風を受けて大きく羽ばたくことかできる期待と、
翼を広げる勇気のない者には、
どんな風も役には立たない…という厳しさを感じた。
風を受けられるところまでは、力いっぱい翼を広げ
自力で登って行かなくてはならない。
翼を広げることもなく、
風にあおられているだけでは…
吹きだまりにのホコリと同じだから、ね。