Episode No.3457(20090924)
仕事とアイデア

優れた仕事の「企画」とは
画期的なアイデア」だと考えがちだけど
…決してそうではないと思う。

たいていのアイデアなら、
すでに先人が実践しているし、
先に行き過ぎたアイデアは
理解できる人が少ないから賛同を得ない。

賛同者が少ないからといって
アイデア自体がダメだとは思わないけれど
…理解者が少なければ仕事にはならない。

「企画」とは「シナリオ」であり、
「シナリオ」とは「道筋」であり、
「道筋」とは、つまるところ「スケジュール」である。

その思いついた何かを、
どんなプロセスを経て、いつまでにどうするか?
…それが描けなければカタチにできない。

「企画」を「アイデア」だと言うのは、
無名のボクサーがチャンピオンに挑戦する話が面白い」
…と言っているだけで、それだけでは映画にならない。

無名のボクサーが普段どんな暮らしをしていて、
何を思い描いているのか?
何故、チャンピオンは無名のボクサーと戦うことにしたのか?
そうした辻褄が納得できるようにあったうえで、
どこから話がはじまり、どこで終わるのか…
少なくともそこまで掘り下げて
他人に見せられるものになっていなければ、
その先の話は進められないだろう。

アイデアだけなら素人の方がたくさん持っている。

素人故に、何の制約もないから
無責任なアイデアをいくらでも言えるし、ね。

しかし、素人のアイデアが企画にならないのは
…思いつきだけで終わるから。

たとえつまらないアイデアでも
カタチになってしまうのは、
締め切りを決めることができる…プロがいるからじゃないか?


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