生まれてきたことには感謝する。
しかも
人間に生まれてきてよかった思う。
だけど…
人間が最高だと思っているのは、
しょせん人間しか知らない人間の驕り。
それに…
人間が一番幸せな存在
…なんて思い込もうとするから、
何かちょっとマイナスがあると、
すぐ絶望しちゃうんじゃないだろうか。
「人生は苦痛であり、
人生は恐怖である。
だから人間は不幸なんだ。
だが、人間は
今では人生を愛している。
それは、苦痛を恐怖を愛するからだ」
…ドストエフスキー『悪霊』より
何故、人は苦痛を恐怖を愛するのか?
…それは、さておき、
少なくとも自分が最高
…なんて慰めの思い込みは捨てて、
むしろ生きてること自体、
もともと不幸なことだと考えてみる。
すると…
ちょっとした喜びも大きな喜びに感じられる。
仕事に急ぐ人の波を
塀の上から野良猫が見下ろしていた。
納税の義務に追われることがない野良猫が
日向ぼっこをしたがら、ね。