Episode No.3263(20090210)
経済という非情の掟

コーヒーを片手に打つには、
ちょっと気の引ける話を
・・・今日も続けようと思う。

このところ、
リンカーンの話などもしていたせいか、
ドキュメンタリー映画
「おいしいコーヒーの真実」を観ても
一番気になってしまうのは・・・
コーヒーを飲みながら
街角で楽しんでいるのは白人で・・・
水道もないような家に住みながら、
泥だらけになって
コーヒーを栽培しているのはみんな黒人
・・・という図式。

強制的に
故郷から連れ去られるような黒人は、
もういないだろうが・・・
まるで国そのものが
奴隷農場のように見えてしまう。

これは市場経済が作り出した
新しい奴隷制度、と言っても過言ではない。

もちろん・・・
1本のドキュメンタリー映画が、
すべての真実を
映し出しているとも思えないし、
流通やメーカーには、
それなりの言い分もあるだろう。

例えば・・・
いくら農民が頑張ったって、
買い取ってくれる人がいなければ
一銭にもならないし、
そもそもコーヒー市場を作り出したのは
自分たちだ、とかね。

そういえば、あのリンカーンですら・・・
奴隷解放を宣言した目的は
何も人道的なことが優先ではなく、
第一の目的は南北戦争に勝つためだった
・・・という説もある。

当時、奴隷たちが作っていた
綿を頼りにしていたイギリスが、
リンカーンと敵対する南軍に
肩入れできないよう、
人道主義という大義名分を
世界に向けて発信し、
イギリスの出鼻をくじいた、という解釈。

最も・・・
どちらが正しいか、なんてことは
・・・論ずるだけ実際は無意味。

どちらも自分の立場を守ることが
最大の目的=正義だから、ね。

はたしてアメリカの新しいリーダーは、
他国のために制度改革をできるのだろうか?

映画「おいしいコーヒーの真実」公式サイト