Episode No.3197(20081125)
独走

あいかわらず
世界経済の混乱が続いている。
100年に一度の波
・・・と言うのなら、
100年前はどうだったんだろう?

100年前・・・
1908年といえば明治41年。
日本からは
第1回ブラジル移民を乗せた
笠戸丸が神戸港を出港。
アメリカでは
T型フォードが完成した年だ。

時代は20年ほど下るが・・・
世界大恐慌があったのは1929年。
昭和のはじめのこと。

その頃・・・
早稲田の学生発明家
・・・と呼ばれた男がいた。

就職難の時代。

彼は学校の推薦で
専門とする弱電の大手メーカー、
東京電機(現・東芝)を受けた。

結果は・・・なんと不合格。

言われたことを
確実にこなしてほしい会社にとって、
彼の独創的な才能は、
かえって邪魔に思えたのかもしれない。

仕方なく別の会社に入った彼は
12年後に自分の会社を興すことになる。

東京通信工業・・・SONYだ。

もちろん、この独創的な技術者の名は
・・・井深 大(まさる)である。

彼がSONYを築けたのは時代のせい?
そりゃあ、
東芝に落ちたせいには違いないけれど、ね。

参考文献「井深大語録」小学館=刊