Episode No.3137(20080916)
若き後継者の苦悩

また、テレビの話で恐縮だけど・・・

浅草の老舗の食堂に入った
30歳前の息子と、
社長である父、従業員たちの
ドキュメンタリーを見た。

本当は見たくなかったけど、ね。
そういう場面は
自分の仕事の上でも否応なしに見てるから。
・・・でも、つい見てしまった。

息子は経営コンサルタントを辞めて来た。
朝から晩まで休みなくパソコンに向かい、
パワーポイントで経営再建計画を立てている。

しかし、うまくいかない。

父には「頭でっかちで心がない」
・・・と罵倒され、
従業員たちには、
「かき回すだけかき回されてる感じ」
・・・と冷ややかな視線を浴びせられる。

私としては・・・
この父と息子、両方の気持ちはわかる。
・・・けど、最近はどちらかといえば
父親寄りかな。

伝えたいことは体を動かさない限り伝わらない。
とくに高卒の従業員が多い、
食堂のような零細企業では。
パワーポイントで何十枚書類を作っても無駄。

ようするに・・・
捨てきれないんだな、自分の方法論見栄を。

郷に入っては郷に従え。
・・・まず、そこから。

それを小馬鹿にしていては、
自分が知らなかったその世界のことを
知ることもできないし・・・
第一、その小さな世界の仲間ですら
味方につけることはできない。

いくら考え込んだって・・・
考えた通りになるのなら
・・・失敗する人なんか一人もいないんだ。

小さな感謝におけるポイントは
失敗した時・・・
それでも力になってくれる仲間を
・・・持てるかどうか。

この若き後継者には・・・
マーケティングの専門書より、
「男はつらいよ」を観てほしいな。