Episode No.2807(20070820):
田舎暮らし考
先週は夏休みの家族サービスをかねて
地方にとどまって仕事をしていた。
一見たいそう恵まれた環境に思えるかもしれないが
思ったほど楽ではないし、莫大な金がかかるわけでもない。
本当はちょっと無理すれば、
たいていの人ならできることなのだが、
無理してまで、やるか、やらないか。
・・・それは本人の選択だと思う。
何をするにせよ、楽な道などない。
どの苦労をするかを自分で選べるという
小さな幸福があるだけ。
それが人生・・・と割り切って汗をかく。
幸い私の仕事の大半は
ネットを介して作業が行われているので、
PCとネット環境さえあれば何とかならないことはない。
急ぎの場合は携帯電話。
今やどんな地方に行っても
携帯電話の電波は届くし、
マクドナルドがあれば気軽にネット接続もできる。
日本の田舎のスゴイなと思うのは・・・
どんな山道であってもキレイに舗装されているところ。
普段は1時間に1台か2台しか
車が通らないんじゃないかと思うような場所でも
国道が完備されていて、ぬかるみ一つない。
そういう意味では、
もはや日本には田舎などないのかもしれないと思う。
あるのは・・・
住んでいる人が多いところと少ないところ。
田舎は物価が安いというのも幻想。
人が少ないところに物流費をかけて物を運べば、
運ばれた物ひとつ当たりのコストもおのずと上がってくる。
同じ物流費でたくさん物がさばける地域の方が
ひとつ当たりのコストも軽減されるから、
かえって都会の方が物は安かったりする。
むろん、新鮮な海の幸は
海の近くの方が安いに決まっているし、
不動産は首都圏から100km以上離れると、
土地と建物の値段が逆転してくる。
地方でも駅に近いところは首都圏並みかもしれないが、
概して首都圏では建物より土地の値段の方が高いが、
地方では建物を建てる値段の方が高くなるのだ。
物流費にせよ、建築費にせよ、
結局、我々は何に金を支払っているのかといえば、
そこに介在して働く「人」に支払っているわけで
・・・自然は一銭も要求してこないのだ。
逆に言えば・・・
物の流れ、情報の流れに入って働かない限り
・・・一銭も要求できないよ、ね。