Episode No.1247(20020823):コスト感覚〜真実のポイント

ある有名俳優が・・・
「俺の講演料は1回200万円」
・・・と豪語した話を聞いた。

その俳優は・・・
30年くらい前は大活躍していたが
今、その姿をスクリーンやブラウン菅で見ることはない。

しかし・・・
一度でもスターダムにのし上がった人間は
その見栄から、なかなか逃れられない様子。

ポイントは・・・
その1回200万円の講演が
年間いったい何回行われるのか・・・という点。

月に一度やっているんなら年収2,400万。
でも・・・
年に2回しかなかったら・・・400万にしかならない。

コスト削減が叫ばれる中、
会社でよくあるのが「何でも自分でやる」ということ。

確かに、できることをやらないのは給料泥棒。
だけど・・・
例えば商品を自分で客先に届けるから
運賃がタダになるかというと・・・そうではない。

客先に行く、ついでがあればいいし・・・
行ったからには新しい仕事をとってくる
そんな意気込みがあって・・・
商品を届けるのを口実に客と会うというならいい。

ところが、たいていは・・・ただ届けるだけ。

ただ届けるなら社員の人件費をつかうより
運送屋に届けさせた方が、ずっと安いはず。

普通より特急、特急より新幹線、
新幹線より飛行機の方が・・・
乗っている時間は短いのに料金は高い。

つまり・・・時間はタダじゃない

時間をかけて高価になるのは芸術品くらい。
ほとんどのビジネスは早くてナンボだ。

時給1,000円の人間が
10時間かけないとできないことも・・・
3時間でやってのける人間がいたら、
たとえ時給を3,000円出しても・・・その方が安い。

仕事だけを考えれば合理化するのは簡単だ。
難しいのは・・・
みんなに、それぞれの能力に合った仕事を作ること。

それは・・・
経営者の仕事か?
それとも政治家の仕事か?

誰もが1回の講演料200万とれる、
そんな人たちばかりじゃないからねぇ・・・。


参考資料:疑問を持たない人たち