Episode No.2736(20070529):
名作の哲学
BBSにもちょっと書いたけど・・・
1時間で読める!〜ドストエフスキー『罪と罰』(講談社刊)
・・・という本を読んでみた。
たまたま書店で見つけた本。
ドストエフスキーも『罪と罰』という作品も
名前だけは知ってたけど、中味は良く知らない。
今さら人には聞けない思いで、
何となくこの本を手にしたのは・・・
奇しくもロシア文学の巨匠ドストエフスキーが
代表作『罪と罰』を書いたのと
同じ年・・・
45歳になった時だったというわけ。
しかし・・・
ロシア文学の登場人物名は実に覚えにくい。
今から読もうと思ったら、
まずこうした入門書みたいなものを読んで
概略だけでも頭に入れておかないことには
・・・途中でメゲることは間違いない。
『罪と罰』って・・・
サスペンスドラマで、青春ドラマなんだね。
今でいうニートが
自分の正義を信じて金貸しを殺す。
家族を守るために娼婦に身を落とした少女との恋。
そして主人公を犯人だと確信して追う
コロンボのような判事の登場・・・。
こうした概略がわかってくると
・・・何だか読みたくなってくる。
ただ・・・
もうオチもわかっちゃってるから、
これで読んだつもりになってしまうのも
難点なんだけど、ね。
映画を観て原作を読んだつもりに
なってしまうようなものかな。
最も・・・
本気で原作に振れようと思ったら
ロシア語で書かれた原書を読む必要があるんだけど
・・・それはどう考えても無理。
確かに・・・
世に受け継がれる名作というものは、
どんな時代の人間のあり様にも
マッチしているように思う。
ドストエフスキーはキリスト教徒で、
作品のベースにそうした宗教観が描かれているという。
宗教観とか、
宗教でなければ哲学といったものが
織り込まれているものは、
きっと古くなることはないんだろう。
そのテーマが・・・
どんな時代にも
人が人として生きていくために
思い悩んでいること
・・・だから、ね。