Episode No.2407(20060510)
万能という迷信

かつて・・・
絵を描くことが苦手な友人が
パソコンを手にした時、
これで自分にも絵が描ける
・・・と喜んだ。

だけど・・・
やっぱり描けなかった。

ある会社では・・・
外注のデザイン料を削減するために
当時出始めの
カラーレーザープリンタを導入した。

しかし・・・
社員の中には
そのプリンターから出力される
デザインデータを作れる者は
一人もいない。

そればかりか・・・
会議用の書類がフルカラーになって、
かえって日常の経費が上がってしまった。

機械にできることは、
与えられた命令を処理することだけだ。

どんな命令を与えるのか・・・
それを判断するのが人間の仕事である。

仕事の内容が
機械的な処理から判断にシフトした時
その人の真の能力が問われる。

機械は有能な部下にもなり得るが、
無能な上司の下では
その真価は発揮されようもない。