Episode No.1305(20021030):ブレずにまわれ

物が作られていく様子を見るのが好きだ。

それまでこの世に存在しなかったものが
次第に形作られていく・・・。
それは誕生の瞬間を目撃すること。

NHKの趣味講座で陶芸教室をやっていた。

ろくろを回して陶器を作ることを
「挽く」と表現するんだと初めて知った。

コーヒーも「挽く」と言うが
ノコギリで木を切るのも
「引く」ではなく「挽く」と書くのが正解。

ろくろに乗せた土に両手をかざし
次第に伸ばしてゆく。

バランスを崩して、せっかくのカタチが
クシャリとヘナってしまうところは見たことがあったが、
最初から見てみると・・・
慣れない人には、
ろくろの中心に土をシッカリと固定すること自体が
難しいようだ。

最初の土の固定が
自分の手でできるかどうかが、まず問題。

回転している土に
手をあてがったくらいでは
自分で作ったことにはならないよ、ね。

役割分担は必要だけど・・・
それは自分の責任を果たすために必要なことであって
責任を回避するための大義名分であってはならない。

他人の仕事を奪いとるくらいのパワーがないと・・・
自分がやろうとしていることさえ出来ないこともしばしば。

「時には踏みならされた道を離れ、
 森の中に入ってみなさい。
 そこでは、きっとあなたが
 これまでに見たこともない新しいものを
 見いだすに違いありません」
・・・アレキサンダー・グラハム・ベル


参考資料:「生きるヒントになる名語録728」轡田隆史=監修 橋本一郎=著 三笠書房=刊