Episode No.1270(20020919):商売人の息子
子供の頃、運動会で騎馬戦があって・・・
体が小さいながら、騎馬の頭となった私は
とにかく「勝つ」ための作戦として
ゲームの間中、ツブされないように走り回った。
それを見た私の父は・・・
「逃げまわるような作戦は男らしくない」
・・・と、しかめっ面をした。
私の父は、いまだ現役で小さな会社をきりもりしている。
父の父は職業軍人で・・・兄弟は、みな公務員。
民間で「商売人」となったのは父だけだ。
そして私は・・・「商売人」の息子として育った。
騎馬戦の目的は「戦う」ことなのか?
それとも「勝つ」ことなのか?
小学校の運動会なんだから
力いっぱい「戦う」のが当たり前。
父のしかめっ面も理解できなくはないが・・・
私は自分の陣営が「勝つ」ことにこだわった。
考えてみると・・・
学校教育というのはオモテ向きには
「できなくても、とにかく一生懸命やる」ことを推奨しているが
次第にその意味があいまいになってきて
試験の結果が重要視されたり
受験が近づいてくると・・・
「コツをつかんで、上手に勝つ」ことが目的になってしまう。
小学生の私は「商売人」の息子として
最初から「勝つ」方を重要視しいてたんだ。
自分で商売をするようになると・・・
やってることは毎日、騎馬戦。
しかも絶対に負けられない騎馬戦だ。
一生懸命やっても・・・
負けたら社員に給料を払えないから、ね。
そういう今の私を見て
・・・苦笑いする父がいる。