Episode No.1156(20020509):消えていった商売

NHKの『プロジェクトX』が、あいかわらずの人気だ。

来月・・・2002年6月には
『プロジェクトX』を原作にした映画『日はまた昇る』が公開される。

VHSを世界基準にした男たちの話で、主演の開発主任は西田敏之。
松下幸之助の役を仲代達也が演じる。

『プロジェクトX』をはじめて見た時は
不景気下の国策番組かと思ったけど・・・やっぱり、つい見ちゃう。

生活をかけた仕事には必ずドラマがある。
それが、後に一般的になったモノなら説得力も大きい。

ただ・・・
最近、私が興味を感じるのは
『プロジェクトX』のような成功例ではなく、むしろ失敗例。

世の中には、消えていった商売も数え切れないほどある。

例えば・・・映画の弁士。
トーキーが入ってきた時、
東京には3,000人ほどの弁士がいて組合もあったらいしが
トーキー導入に反対して、ストライキをした。
しかし・・・
そのストライキは、後から考えれば
映画館の側にとっては、ちょうどいい解雇理由になったんじゃないかな。

あるいは・・・車引き。
人力車を引いていた男たちが、みんな観光地に行ったとは思えない。

飛脚は明治政府が郵便制度を作り上げた時に
郵便局員として雇用したらしい。
今は、その逆が起ころうとしているけれど。

最近では・・・新幹線についていた冷却水の紙コップ・メーカー。
新幹線から冷却水がなくなって・・・
紙コップを作っていたメーカーは、その後、どうなったんだろう?

商売自体は、社会に必要とされなくなってなくなってしまっても
そこに携わっていた人たちは、その後も生きていかなければならない。

そういう人たちが、その後、どうやって人生を生きていったか・・・
そこにも大いなるドラマがあるんじゃないかと思う、な。


参考資料:まだまだ消えるわけにはいかない