Episode No.1057(20020114):行動を伴わない正しさなどない

特別なことなんかやっていないつもりでいても
次から次へとトラブルが発生するのか日常生活。

生活するということは・・・
まるでトラブルを処理すること、と言ってもいいくらいだ。

「自分は別に間違ったことは何ひとつしてないつもり」
でも・・・
自分と、まったく同じ価値観で生きている人なんかいないのだから
トラブルはあって当たり前

そういう時に・・・
「災いが降ってきた」と思う人は
たいてい
間違ったこともしていない代わりに
その場に応じた正しいことも何ひとつしていない。

正しい行動をプラス、
間違った行動をマイナスとすれば
・・・ゼロなのだ。

プラスの行動をとっていれば
仮にマイナスがやってきても
プラスか、ゼロに踏みとどまれる可能性はある。

しかし・・・
元がゼロなら、マイナスが来たら
間違いなくマイナスに引きずられてしまう。

それくらい・・・
間違ったことをしていない、ということと
正しい行動をしている、ということは似て非なるモノ。

間違っていなければ、正しいというわけではないのだ。

厄介なことに・・・
間違っていないだけのつもりでいる人は
トラブルがあると、その時点で「自分は正しい」と言い直す。
そんな発想からスタートしたら・・・
絶対にトラブルは回避できやしない。

「欠点を欠点として認識していれば
 その欠点が災いとなることは少ない」

・・・とは、松下幸之助の言葉。

結局、どんなトラブルも・・・
自分がまいた種のひとつに過ぎないんだよなぁ。

もし本当にそうじゃない、と言い切れるなら
誰にも迷惑はかからないはずだし・・・
自分だって、何もあわてることはないはずだよね。


参考資料:「松下幸之助/日々のことば」PHP研究所=刊