Episode No.945(20010905):勝つ者・負ける者

先週末・・・深夜のNHK教育テレビで
ロボット・コンテスト、通称「ロボコン」大会の模様を放送していた。

手作りロボットを対戦させるこのコンテスト以前にも見たことがある。
対戦・・・と言っても直接殴り合うワケではなく
規定のモノを運んだりして・・・ゲームを競うのだ。

参加しているのは世界7カ国から集まった工学系の大学生たち。
この大会のイイな、と思えるところは・・・国別の対戦ではないこと。
集まった学生たちはバラバラにシャッフルされて混成チームを組む。
そして、言葉の壁を乗り越えながら・・・
2週間をかけて、決められた材料で自分たちのアイデアの詰まったロボットを作っていく。

私だったら、この規定に対して、どんな発想のロボットを作るか・・・
工学的な知識はまるでないが、そんなことを考えながら見ていると
同じ発想のドイツ人学生を中心とするチームが1つだけあった。

しかし、そのチームはあえなく一回戦で敗退。
発想は悪くないと思うんだけど・・・決定的に足りないモノがあった。

それは、ロボットの機能的に問題ではなく・・・ゲームに勝つための知恵だ。

今回の大会では、2体のロボットを使ってコンビネーションも競っていたが・・・
私なら、もう1体のロボットは、あのドイツ人学生とは違うカタチにしてたなぁ。

せっかく1体が優れた機能を持っているんだから・・・
もう1体は・・・ゲームに勝つために使えばよかったのに、と私は思った。

このゲームに確実に勝つには・・・相手を邪魔すればいいのだ。

そういう発想はフェアじゃないかも知れないけれど・・・
結局、優勝したチームは相手の邪魔がうまかったチームだ。
ちなみに中心となっていたのは、日本人だったけど。

この大会の目的は若き技術者たちの世界的な交流、
そして自由な発想による挑戦をテーマにしていると思う。
そして、その意義は大きかったとテレビを見ていても感じた。

但し、ゲームに勝つためには・・・
チームワークや技術だけでなく戦術が必要だ。

相手の邪魔さえすればいい・・・という発想は商売としては邪道だが
少なくとも、このゲームに勝つためには必要な知恵だった。

せっかく優れた技術を持っているつもりでいても・・・
勝てなければ、その技術を発揮することはできないのが現実。

この大会に参加した学生が痛烈に感じたのは・・・そんなことだったんじゃないかな。

無論、技術が群を抜いて勝っていれば勝てたかも知れないけど・・・
同じ人間同士・・・それほどレベルは変わらないだろうし。
どの範囲まで見渡して作戦を考えられるかが・・・大きな差を生む。

モノごと・・・近くから、遠くから見てみたいと、ね。


参考資料:「ロボットコンテスト」http://www.nep21.co.jp/robocon/