Episode No.1015(20011126):助けられたり、助けたり

美しい女性が通りかかる。
男は声をかけたいが・・・あまりの女性の美しさにためらっていると
女性の脇のあたりからハラリとハンカチが落ちる。

男はすかさず道端に落ちたハンカチを拾い上げ・・・
2人の間に会話が生まれる。

はたして、このハンカチは偶然、落としたモノなのか?
それとも、その先を予測して、わざと落とされたものなのか?
・・・それはともかく。
つい最近観た芝居にも、わざとコント風に仕立てたこんなシーンがあった。

実際には滅多にあることじゃないけど・・・
実にオーソドックスと感じる出逢いの場面だ。

さて、そこで・・・「出逢い」とは何か?

たとえが学校で同じクラスになったことや
家が近所だったこと・・・
あるいは郷里が近かったことなど。

出逢いのきっかけは、いろいろある。

しかし、そうした偶然だけが
人と人とを結びつけているのかと言えば・・・決してそうではない。

同じクラス、同じ町内、同じ郷里・・・
そのよしみで誰かが誰かを助けたから・・・出逢いとして成立したのだ。

もちろん仕事のうえでは・・・
期待した以上の成果があらわれた時、
依頼した側は「助かった」という言うだろう。

ゴルフ好きで有名な俳優のジャック・レモンは、こんなことを言っている。

「新しい人となかなか知り合いになれないと思うなら
 人さまの打ち損じたゴルフボールを拾ってあげたらどうかな」

助け合えない関係は・・・関係としての意味が希薄になってしまうし長続きもしない
自分に助けられるだけの力や知恵がなければ、声もかけられない。

人づきあいがうまくいかないのは・・・決して、相手のせいじゃないんだ。


参考資料:「世界を動かした名言」J・B・シンプソン=編 野末陳平/隈部まち子=訳 講談社=刊