でじたけ流 教育論「田舎感覚を教える」
 
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20150823

でじたけ流 教育論785回「田舎感覚を教える」

でじたけ流教育論 digitake.com


夏といえば海…というわけで、
今年も少しだが家族で海に行った。

東京生まれの横浜育ちである自分にとって、
リアルな海の色はネズミ色だったから、
積極的に海へ行くことは、まずなかった。

ところが、
横浜からわずか100km下っただけ
伊豆の海が青いことを知ってからというもの、
毎年夏には家族連れで
勇んで海に出かけるようになった。

ちょうど子供たちが
幼稚園から小学校の頃だったので、
子供たちにとって伊豆は、
本当の田舎のような感覚になったことだろう。

今、長男はインターンでスリランカに渡航中
しかし、今年は高校を
…というより、
高校の部活を卒業した長女が数年ぶりに合流した。

あいにくの天候ではあったけれど、
伊豆も白浜より南の海は
実にのんびりしていて人も少なくていい。

しかも下田基地から海までは歩いて10分程度。
散歩がてらに海水浴という贅沢さだ。

公衆トイレの前に備え付けられたシャワーはタダだし、
何もシャワーに並ばなくなって、
そのままウチの浴室に向かっても何ら無理はない。
最もシャワーだって…何人も並んじゃいないけどね。

都会生まれの自分を、
かつて羨ましがる友人が何人もいた。

観たい映画や芝居は行こうと思えば、すぐ行けるし、
中には時々バッタリ、
生の芸能人に会えるということを羨む輩さえいた。

けれど、改めて考えてみると…
自分は都会に生まれて、ずい分と損をした
…と最近よく思う。

金さえ出せば、季節にかかわらず
どんな食べ物も手に入る代わりに、
旬のものの美味しさがよくわかっていない。

それどころか…
一年中何でもあるから、
何が旬のものであるのかさえ、実はよく知らない。

金さえあれば何でもできる都会は、
金がなければ何もできない
自然とはかけ離れた人工的な世界。

食うために金がいる
…のは都会だけのいわば特殊事情。

果実でも魚介類でも
手を伸ばせば食い物があるのが、
…そもそも自然というものだ。

いかに都会に
人口の何パーセントが集まっているとはいえ、
それ以外の田舎の方が人口も面積も多いんだ。

地方創世…というけれど、
創世に必要なのは、
地方を都会化することではないだろう。

ないものねだりをしているうちは幸せはつかめない。

地方が持つアイデンティティを活かし、
都会だけが世界だと勘違いしている連中を
洗脳から解き放たないと…少子化も進むばかりだ。

どこでもドアが本当にできないか…と
真剣に考える下田好きも自分を含め多いけれど、
横浜から片道3時間というのも、
普段とれない貴重な読書タイムになっていることは確か。

そして親としては…
子供たちに少しでも幅広い世界を
見せ、実感させておくことが大事だと思う。

都会の特殊環境に負けないためには、
田舎の良さも知っていないとバランスがとれない。

選択できる感覚が自由というものであって、
押しつけられた価値観にやられてしまっては、
結局は踊らされているだけのこと。

豊かな人生という価値観を
子供に、どう正確に教えるか…?

いかに金があったとしても、
…人生に裏口入学はないからな。

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