20150726

第781回「親の安心の為に教育はあるんじゃない」

大学４年の長男は、
この夏、大学と提携する海外企業で
一ヶ月近く研修するらしい。

その後は大学院に進む可能性が高い。
理系はそれくらいやらないと
ツブシが効かないらしいし…。
これからは、
海外企業で働けるくらいの語学力も必要だろう。

行き先はスリランカ。

親としては
シッカリ準備をして、いってらっしゃい。
…というところだが、
隣に住むおじいちゃん、おばあちゃんは猛反対。

海外なんかに行ったら殺される
…と言わんばかり。
いったい、いつの時代の話なんだ？

貿易会社を立ち上げたおじいちゃんも、
何故、途上国に行くんだ？
行くなら先進国へ行け…と言ってるらしい。

しかし、それも時代錯誤だと思う。

治安が不安定な中東へ、
わざわざ行くと言うなら話は別だが、
なまじ先進国へなど行く方がテロの危険性は高い。

日本が高度成長期にある時には、
まだまだ先進国に学ぶことも多かっただろうけど、
日本が先進国となった今、
これから未来を考えれば、
途上国のノウハウを知っている方が強いだろう。

年をとると、なかなか新しい考えを
受け入れられない…というのはわかる。

けれど、それが若い者の足をひっぱってしまっては、
新しい時代は築けないだろう。

おじいちゃん、おばあちゃんとのバトルを終えて、
うちに戻ってきた長男は言った。

普段、おとうさんやおかあさんには、
進路についてあれこれ言われたことがなかったら、
かえって新鮮だった。

…と。
そこで、言ってやった。

俺はずーっと言われていけど、こんなだよ。

そして、少なくとも父親が、
子供の進路についてあれこれ言わない正直な理由は、
自分の進路のことで忙しいから。

教育は親の安心のためにあるんじゃない。

やっぱり…人生、日々更新。

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