20090913
でじたけ流 教育論

第476回

未来人たち-digitake.com


21世紀になって、
もう10年が経とうとしているというのに、
車が空を飛んでいるわけでもなければ、
ロボットが普通に街を歩いているわけでもない。

ただ、よくよく考えてみると…
部屋のガラス棚にはAIBOが鎮座していて、
自宅でもブロードバンドはもはや当たり前。
iPhoneには携帯電話だというのに、
お気に入りの映画がまるごと何本か入っている。

もともとMacからPCに入った私はAppleファン。
Appleの新製品は実に「未来」を感じさせてくれる

先頃発売された新しいOS…
Mac OS 10.6-Snow Leopard(現在はすでに10.6.1)を
早速インストールしてみた。

intel Mac専用なので、
インストールできる手持ちのマシンはMac Bookのみ。
とうとうG5にもアップデートがなくなってしまった。

インストールしても
見た目何が変わったのかはよくわからないけど
…確かに速くなった感じがする。
AppleソフトのSafariやプレビューの起動がむちゃくちゃ速い。
何と言ってもシステム終了にかかる時間が、数十秒から数秒になった。
しかも前のバージョンと比べて
OSの容量が約半分になったので、7G近いHDの空きが生まれた。

PCの機能は、
すでに使いこなせないところまで来ている感じもするけど、
高音質の音楽データの容量がだんだん小さくなっていったように、
今後はこうしたチューンナップで進化していくんだろう、ね。

こうした大胆なチューンナップによって
大幅な作業時間の短縮がはかられるのは歓迎すべきことだが、
それを実現するために
今あるPCを買い換えなければならなくなると思うと…気が遠くなる。

そんな中…
さらなる新製品がAppleから発売された。

厚さわずか6mmのiPod nanoに、
なんとビデオカメラ機能がついたというのだ。
しかも価格は2万円を切っている。

すでに映画さえ持ち歩けるから、
今更デジタルプレイヤーはいらないけれど、
ビデオがついているというのなら話は別。
早速申し込んで…間もなく届くだろう。

…あ!届いた。早いなぁ…。

今持ち歩いているビデオカメラはSANYOのXacti
何時間も撮影できるビデオカメラが
胸ポケットに入ってしまうというだけでも驚きだったが、
iPod nanoなら、サイフにすら入りそうだ。

こうして…
新し物好きな父親の元で暮らす子供たちにとって、
21世紀のテクノロジーは、あって当たり前のものになっている。

一方、レコードを見て、
これはいったい何なのかと首をかしげる姿は、
まるでビクターの犬か…未来人。

未来人たちには昭和生まれのような、どん欲さはない。
テレビ番組を見過ごしても「しまった」とは思わない。

バラエティーのちょっとしたコーナーなら、
すぐにYouTubeを検索すれば出てくるし、
ドラマなら、少し待てばTSUTAYAにDVDが並ぶから。

自分で準備しなくてもいい
…というのは便利に違いないが、
同時に準備する能力を伸ばす機会が
極端に少なくなっているようにも思う。

自分に代わって何かしてくれる物(者)が多ければ多いほど、
自分はまた別の何かができなければ存在価値を失ってしまう。

そう考えてみると…
不便な方がより人の価値が上がるようにも思う。
便利な世界に住むには、それなりの資格がいる。

知識とノウハウと、それを発揮できるやる気と、
モチベーションを保つための哲学と。

そして…
やがて子供たちが家を出ると、
昭和生まれの親たちと同じように、
トイレットペーパーは準備しておかないと、
やがてなくなってしまうことに気づくのである。


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