20070902
でじたけ流 教育論

第370回

ダンディズムの源


先日、オークションでレコードプレイヤーを買った。

これが・・・
見た目はクラシカルだけど
USBメモリにMP3フォーマットで
ダイレクトにレコードが録音できるという、
なかなかのスグレもの

データは、そのままiTuneに読み込めるから
CDが登場してからというもの
長年にわたってお蔵入りとなっていた
懐かしのレコードもiPodで持ち歩くことができる。

つくづく・・・便利な時代になったモンだ。

そういえばかつて・・・
うちの子供たちはレコード盤を見て
「これ何?」と首をかじげていた。

CDが当たり前の平成生まれの連中にとっては、
当たり前のことだが・・・
小2の次男にいたっては、CDをかけても
「絵はどこに出るの?」と言い出す始末。

つくづく世代のギャップを感じる。

私が持っている一番古いレコードは
東映動画「長靴をはいた猫」の絵本付きレコード。

1969年のモノだから・・・もう38年前の品物。

今みると、ものすごいスタッフによって
この映画は作られている。

脚本と主題曲の作詞は井上ひさしで、
原画担当の中には宮崎駿の名前もある。

映画を観て何故だか涙が流れた、というのは、
おそらくこの映画を観た時が初めてだった思う。

ああ感動っていうのは、こういうことか
・・・と思った覚えがある。

次が確かチャップリンの「モダンタイムス」だった。

「長靴をはいた猫」を観たのは、
ちょうど今のうちの次男と同じ小学校2年生くらいの時だ。

ちなみに「長靴をはいた猫」が公開された同じ年に
「男はつらいよ」シリーズがはじまっている。

後に「男はつらいよ」シリーズに入れ込むことになるが、
寅さんにも「長靴をはいた猫」にもあるのが実は、
男のダンディズム・・・だと思う。

ネズミを助けた罪で猫の国を追放され、
殺し屋に追われる長靴をはいた猫・ペロ。

逃亡先で知り合った貧乏少年ピエールと組んで、
魔王からお姫様を救う。

絵本の最終ページには、こうある。

「ピエールとローザひめは
 しあわせになりました。

 みんなにみおくられて
 ペロはまたぼうけんのたびにでました」

・・・まったく寅さん。
あるいはチャップリンの「サーカス」

こういう話に男らしさを感じ、
こういう話に感動して・・・大人になった。

はたして、どんな男になれたかは
・・・疑問もあるけど、ね。

少なくとも自分さえよければいいという感情はない。

だから密かな楽しみというのは嫌いで、
楽しむならみんなで楽しみたい。
人が楽しんでいるところを見る方が好きだ。

故に胸を張って不倫経験はなし(笑)。

世代のギャップはあるものの・・・
取り出してきたレコードの絵本を
次男は熱心に読んでいた。

今でも「長靴をはいた猫」の曲を聴くと胸が熱くなる。

次男にもやがて、そんな時が来るのだろうか?



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