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Episode No.637(20000911):100年の会話

郵便葉書が1銭5厘、封書が3銭で送れた頃・・・15銭もしたモノ。

今から、ちょうど100年前の明治33年9月11日。
上野駅と新橋駅に「自動電話」と称される「公衆電話」が初めてお目見えした。
つまり今日は「公衆電話」の100歳の誕生日だ。

料金は5分で15銭。
封書の5倍というコトは・・・今なら5分400円=80円/分。

現在の公衆電話料金は、消費税率の変更にともなって平成9年4月から改訂され・・・
早朝、深夜を除き、区域内で10円/分・・・と意外に高いが、それでも100年前の8分の1だ。

ちなみにPHSの場合・・・
通信会社や加入プランによっても異なるが、通話料金は公衆電話と同等か、それ以下。
とくに遠距離通話の場合には、公衆電話より確実に安い。

平日の昼間、160kmを越える地域に電話をかけようとすると・・・
公衆電話だと10円で8.5秒しかかけられないが・・・
PHSなら14〜17秒と倍くらいは話せる。

故に、携帯電話やPHSが一般電話の加入数を越えた現在。
「公衆電話」は次第に撤去されはじめているのが現状だ。

ところで「公衆電話」というば昔は「赤」が主流だった。
これは「とにかく目立つ色」というコトで決定したらしい。

最近はカードが使える「緑」のが当たり前になっているが・・・
この「緑」決定には、ちょっと曰くがある。

1982年に登場したカード公衆電話の色は、当初オレンジ色にほぼ決定していた。
ところが「欧米でオレンジは危険な色」とされているという話が持ち上がり、急きょ「緑」に変更された。

1991年に登場した新型デジタル公衆電話は、ハイテクのイメージで「グレー」。
何故、ハイテクのイメージが「グレー」なのかは、よくわからないが・・・。
もうちょっと後にできていれば、スケルトンブルーになってたかもね。

私が持っている携帯電話は、携帯とPHSがドッキングした、ドッチーモ。
だから車で移動中だろうが、地下街を歩こうが、たいていつながる。
最も今、運転中に電話しているところをお巡りさんに見つかればヤバいし・・・
携帯用とPHS用、それぞれの番号があるのも少々厄介。
無論、基本料金も通常の1台分よりは高い。

確かに便利ではあるが・・・
結局、使うのは誰かと待ち合わせをした時とか、約束の場所に遅れそうな時くらい。

おそらく話している内容は・・・
100年前にできた「公衆電話」での会話と変わらないだろうな。


参考資料:NHK総合「歴史の意外なネタ366日」中江克己=著 PHP文庫=刊 ほか