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Episode No.632(20000905):頑張るコトが目的ではない

9月に入ったとたん、急に過ごしやすくなったような気がする。
少なくとも、コレを書いている時点では・・・。

うちの近所では、セミの声もだいぶ少なくなった。

セミが成虫になるまで、ものすごく時間がかかって・・・
わずか一週間の命しかない・・・のは、周知の通り。

普通、幼虫として地中で生活する時間は7年間っていわれるけど、これはあくまでも主なセミの話。

日本のセミの場合、種類によって1〜9年くらい地中で暮らしている。
アブラゼミやミンミンゼミという代表格は7年だけど・・・
ニイニイゼミは4年。
一番短いのが、イワサキキクナガゼミという種類で、長くて3年、早いモノだと1年で成虫になるらしい。

世界には1,500種類ものセミがいるそうだけど・・・
今わかっている幼虫時代が最も長いセミは、北米大陸に生息するジュウシチネンゼミというヤツで
その名の通り、17年も地中にもぐっている。

しかし、セミの名前ってのは・・・何だかあんちょこなのが多いな。

ところで、巌谷小波(いわたに さざなみ)っていう人・・・知ってる?

今日、9月5日はこの巌谷小波の命日。
亡くなったのは、今から67年前の昭和8=1933年・・・享年64歳。

巌谷小波の名前を知らなくても日本人なら誰でも・・・
『桃太郎』や『猿カニ合戦』、『一寸法師』は知ってるよね。

巌谷小波は、その作者・・・じゃなくて、こうした全国に散らばるおとぎ話を本にとまめて紹介した人。
本のタイトルは、もちろん『日本昔噺』。
そのため、巌谷小波は"おとぎ噺の父"とも呼ばれている。

現代のように日本のおとぎ話が全国的に一律なモノとして知られるようになったのは・・・
間違いなく巌谷小波の功績だ。

どんなに長い時間をかけてやってきたコトも・・・
最終的には何らかのカタチで必要としている人に伝わらなければ意味がない。

セミの幼虫が「セミ」と呼ばれるのは・・・木によじのぼって鳴くからなんだ。


参考資料:「頭にやさしい雑学読本2」竹内 均=著 三笠書房=刊
     「歴史の意外なネタ366日」中江克己=著 PHP文庫=刊