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Episode No.038

海面に去っていく亀の後姿を見送った浦島太郎が、土産にもらった玉手箱を抱えて家に戻ると、そこには知らない人ばかり。
なんと太郎が竜宮城で楽しく過ごしているうちに、地上では700年もの時が流れていた。

古典にして傑作SFでもある「浦島太郎」の物語をしらない人はいないだろう。まるで映画「猿の惑星」を思い出させる痛烈な、このラストシーン。

心細くなった太郎は土産の玉手箱を開ける。
すると、モクモクと煙がたちこめて、太郎は一瞬にして老人になってしまった。

・・・と、ここまでは誰もが知っている話だが、実はこの話に続きがあることをご存じだろうか?

「浦島太郎」は、もともと「御伽草子」の一部が子供向けの"おとぎ話"になったものだが、この「御伽草子」には老人になったあとの浦島太郎のことが描かれている。

老人となった浦島太郎は、やがて鶴に大変身。
故郷を飛び立って蓬莱山(ほうらいさん:中国の想像上の山)にたどり着く。
そこで、またまた楽しく遊んで暮らすが、その後、京都北部の丹後の国へ行き結婚することになる。

結婚相手は、なんと亀。
やっぱり亀が大好きだった?!
亀と夫婦になった浦島"鶴"太郎は、それ以来、すべての生き物を救う神様になった・・・というお話。

縁起物の鶴亀の鶴は、実は浦島太郎なのかもしれない。


参考文献:「その後どうなる?」素朴な疑問探求会=編 河出書房新社=刊

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