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Episode No.573(20000628):敵を作らない方法

ある師匠と弟子の会話。

師匠「頂点を極めるためには何が必要か?」

弟子「味方を作り、ふやすことです」

師匠「違うな。その逆だ。敵を減らすことなんだ」

師匠の名は、
田中角栄・・・この時、44歳の大蔵大臣。
弟子の名は、
早川茂三・・・この時、32歳の秘書官。

先日の選挙の日には、また深夜までついつい速報やら対談を見て夜更かししてしまった。
とくに応援している人がいたワケじゃなくて・・・ホンネでエキサイトしているおじさんたちにつられて。

いろんなチャンネルをとっかえひっかえ見ていたけれど・・・。
そういえば後からフト思うと・・・珍しく早坂茂三の姿を見なかったな。

今年70になる政治評論家にとって、やはりあの時間帯はつらかったのか・・・。
そう考えると現職の政治家は元気だなぁとつくづく関心してしまう。

元気な政治家と言えば真っ先に思い浮かぶのは・・・やっぱり田中角栄。
娘も元気いっぱいだけど・・・。

角栄にとって味方とは・・・「いっしょに死んでくれるヤツのこと」
だから、もちろん滅多にいるモノではない。

「やみくもに味方を作ろうとして相手の性根もつかめず、コメツキバッタの真似ごとをするな。
 味方顔した連中は、こっちの雲行きが危うくなれば、すたこら逃げ出すに決まってる。
 そんな手合いに頭を下げ、愛想をふりまくのは愚か者のすることだ」

そこで角栄流・・・敵を作らない方法。

(1) 人の好き嫌いはしない。
(2) 来る者は拒まず、去る者は追わず。
(3) 他人のために汗を流す。
(4) 手柄は人に譲る。
(5) 約束は実行する。

「これを長い間、続けていけば敵が減る。
 多少なりとも好意を寄せてくれる広大な中間地帯ができる。
 大将になるための道が開かれていく」

これを全部守るのは・・・ものすごく大変なコトだ。

でも、少なくとも自分との約束だけでもキチッと守るコトができたら・・・。
何者かには、なれるだろう。


参考資料:「オヤジの知恵」早坂茂三=著 集英社インターナショナル=刊

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