Episode No.531(20000510):100年の進歩
この間「地球の日」なんてのがあったけれど・・・。
環境問題はあいかわらず深刻だ。
あらゆるところから人間にツケがまわってきてる・・・という感じ。
そんなコトを思いつつ、今日も私は二酸化炭素ばらまきながら、車を走らせている・・・。
まだ高いし車種が選べないけれど、せめてハイブリッドカーにするべき、なのかな?
実は今日5月10日は、日本に初めて電気自動車がお目見えした日。
1900年・・・今からちょうど100年も前の話だ。
後の大正天皇となる皇太子嘉仁親王と公爵九条道孝の第四女節子姫のご成婚を祝って、サンフランシスコ在留日本人会が献上したのが、電気自動車だった。
電気自動車の歴史は思ったより、かなり古い。
エジソンが蓄電池の開発をしていたのも目的は電気自動車を走らせるだめだった。
実際にエジソンは実用に耐えうる電気自動車を使ってもいた。
では、なぜ今日まで電気自動車は普及しなかったのか?
以前、ある地方の自動車整備振興会の人にこんな話を聞いたコトがある。
ガソリン車の次は、やっぱりハイブリッドカー・・・電気自動車になっていくんでしょうね?と聞くと、
その整備振興会の人は首を横に振った。
次はLPガスや天然ガス車だと・・・その人は言う。
ガスで走ると言えば、すでにタクシーがそうだ。
タクシーがガスで走っているおかげで、すでに全国にはガス・スタンドも数多くある。
昔、電気自動車が走る未来になったら、ガソリンスタンドは全部「電気スタンド」になる・・・なんて漫才を聞いたコトがあったけど・・・。
燃料供給の問題で電気だけで走れる時代は、まだまだ先というのが、その人の見解。
それからもうひとつ・・・整備士の問題もある。
すでに実用化されているハイブリッドカーも、今まで通りの自動車整備工場で整備するコトはできない。
自動車の整備には資格が必要だが、高圧電流を扱う資格を現在の整備士は持っていないのだ。
そういった受け入れ態勢ができない限り、いかに自動車やエレクトロニクスの技術が発達しても、そうやすやすと無公害の電気自動車が走り回る時代は来そうにない。
ところで、この間、知り合いの人が面白いコトを言っていた。
ペリーが浦賀にやってきたのは1853年。
日本がハワイ真珠湾を奇襲攻撃したのは1941年。
黒船にびっくりした日本人が連合艦隊を引き連れてアメリカと戦争をはじめるまで、わずか88年。
本気になっていれば、とうの昔に・・・・
電気自動車が走り回る時代になってたろうに、ね。