Episode No.442(000126):いい循環、悪い循環
あるお菓子メーカーの専務に聞いた話。
そのお菓子屋さんの主流製品は、かつてカステラだったそうで・・・。
ところが、大手のメーカーが進出してくると、ネームバリューでも価格でも勝てない。
そこで、できるだけ商品の値段を下げたり、種類を増やしたりして対抗しようとしたけれど・・・。
お客は離れてゆくばかり。
バブル崩壊直後、景気は悪くなって、ますます商品はまったく売れない。
最後の手段は・・・商品アイテムを絞り込むコト。
いわば商品のリストラ・・・だね。
そして新製品は、わずかな妥協も許さずに作るコト。
これで最後になっちゃうかも知れないし・・・納得できるモノを作りたい。
でも悪いコトばかりではない。
景気低迷のお陰で、イイ原料が安く手に入るようになり、新製品の販売価格をおさえるコトができた。
天にも祈る思いで発売を開始した新製品は飛ぶように売れた。
会社の屋台骨を支える商品ができたお陰で、次に出す商品も充分に研究する余裕ができる。
すると次の商品もヒットを続け、今もそのお菓子メーカーは景気に左右されるコトなく大躍進中だ。
アレもコレもと悩んでいるうちに自分を見失ってしまうコトって・・・あるよね。
結局、人生って自分が動かしているつもりで、実は次から次へと押し寄せてくる難問にほんろうされながら道を決めさせられているような場合がほとんどだけれど・・・。
自分が何を大切に思うか・・・というところで、やっぱり自分自身で決めているという面も大いにある。
当時、誰も信じなかった世界中がコンピュータ・ネットワークでつながる・・・。
という未来を夢見てサン・マイクロシステムズを設立し、後に会長兼CEOとなったスコット・マクネリーという人物がいる。
スタート当初のメンバーは、わずか4人。
社内に特別にルールはなく、あったのは情熱と夢だけ。
インターネット・ブームに火がつくと、会社は急成長し、社員も膨大に増えたが、組織を管理するどころかコントロールするのも難しくなったしまった。
そこでマクネリーは基本方針を全社員に徹底させるため、こう言って組織改革を断行するコトになる。
「大きな原則は簡単に変えてはならない」
さて、あなたの原則は・・・何?