Episode No.340(990928):知らぬは罪 『買ってはいけない』を買ってしまった。 『週刊金曜日5月21日号増刊』の『買ってはいけない』は、発売数ヶ月で100万部を越える大ベストセラーになっているから、ご存知の方も多いことだろう。 飲食物から洗剤、薬、雑貨などなど・・・。 普段、私たちがテレビCFやスーパーの店頭などで目にする大手メーカー製品の"毒性"を名指しで指摘したこの本は、確かに興味深い内容ではある。 スポンサーなしでは成り立たないマスメディアでは、ここまで直接的な避難はできないだろう。 その点、自社出版物の広告しか載せていない『週刊金曜日』ならではの挑戦は消費者にとって歓迎されるものかもしれない。 私の常備薬である正露丸なんかもヤリ玉に上げられていて、内心ドキッとした。 が、すべてがこの本の通りだとしても、今の生活からこうした製品をなくすコトは、とても難しいだろう。 健康を犯すことを知りながらタバコを吸う。 環境を犯すことを知りながら排気ガスをまき散らす車に乗る・・・。 人間の行動には、いかなる場合にもメリットとデメリットがある。 ゲーテ風に言うならば「強い光は強い陰をも作り出す」というところか・・・。 知っててやるのは確信犯で決してほめられたコトではないが、知らずに踊らされているのは、もっとバカバカしい。 それが、この本のタイトルにも象徴されているメッセージなんだろうと思う。 知らない・・・というコトは恐ろしい。 場合によっては、知らないコトが犯罪にもつながってしまう。 夕べ、日本テレビで『全国警察犯罪捜査網』という季節の変わり目には定番となったスペシャルをやっていた・・・見た? 大阪府警の女性特別隊がホストクラブを潜入捜査する模様をやっていて、ホストクラブ内に客として酒を飲んでいた15歳の少女が補導された。 もちろん、未成年に酒を飲ませた店も数々の条例違反で摘発された。 VTRが終わって、司会のみのもんたが何故かゲストで出演していた安西ひろ子に尋ねた。 「どうですか? 安西さん。・・・ところで安西さん、お歳聞いてもいいかな?」 「はい、19歳です」 「ねぇ、未成年にお酒飲ませていた・・・あの店」 「ホントにね。15歳なんて・・・。お酒は楽しく飲まなきゃいけないですよね、18歳になってから」 オイオイ、お酒は20歳になってからだろ? 強いて突っ込まなかったみのもんたはオトナだった。 しかし、生放送ではどうするコトもできなかった。
参考資料:「買ってはいけない/週刊金曜日5月21日号増刊」株式会社週刊金曜日=刊
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