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Episode No.312(990826):ダンナ様にパスカルを愛を!

初めてパソコンを買う時には「うちでもそろそろ・・・」なんて言って、奥さんにおうかがいを立てる人も少なくないだろう。

問題は買い換えの時。
こう次々と新機種が登場してくると、つい新しいのがほしくなるのも無理はない。

だけど「この間、買ったばっかりじゃない」なんて言われるとシャクだから、いろいろと言い訳を考える。
「処理速度が速いヤツじゃないと仕事ができない」とか「容量を大きくしないとダメだ」とか。

「オレの稼ぎだから勝手だろ」なんて言った日には、そりゃえらいコトになる・・・でしょ。

一番効果的と思えるのは、今使っているマシンで四苦八苦している様子を見せつけるコトじゃないかな?!
で「もう少しいいパソコンがあれば、徹夜しなくて済むのになぁ」なんて、真っ赤な目をしてつぶやいたりして・・・。

身近な人への小さな愛情が、やがて人類全体を包み込む大きな愛情へと広がっていく・・・。

買い出しに行く女房の姿を見て、エンジン付きの自転車を作った
本田宗一郎のハナシは有名だが、哲学者パスカルもそのひとり。

パスカルの父親は税務署の役人だった。

毎日、大量の計算に追われ、人生の楽しみをも忙殺されている父の姿を見て、パスカルが作り上げたのが、機械式の計算機。

もちろん今から350年以上も昔のコトだから、いかに機械式とはいえ、できるのは足し算と引き算だけ。
それでもこれが現在のコンピュータの元祖となった。

かけ算、わり算もできる計算機が登場したのは、パスカルの計算機が完成してから、29年後の1671年のこと。
コンピュータと言えるモノが登場するのは、それから280年も経過した1951年になってIBMが真空管式のコンピュータを開発してからだが、パスカルの発明が10年遅れていたら、コンピュータの発明も10年は遅れていたに違いない。

ところでウチでは、自慢じゃないが多少大きな買い物をしても滅多にカミさんに相談するコトなどない。

サイフは私が握っている・・・というのが大きな理由。
もちろん、月々決められた生活費は渡しているが、それ以上は「心配ない」のひと言で済ませる。

そう言ったからには、カミさんよりシビアな借金取りが相手だ。

結婚前には既婚者から「ほしいモノは結婚前に買った方がいいよ」なんて言われたコトもあったけど。
それを実行したために、いまだそのクセは直らない。


参考資料:「20世紀の発明・発見博物館」グループ・サイエンス21=編著 ワニ文庫=刊

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