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Episode No.036

「人間は考える葦である」

哲学者パスカルの有名な言葉だ。

パスカルは本来、物理学者だったが、他の学者たちがそうであったように専門分野以外にも幅広い才能を発揮した。

人類が発明、発見したものというのは、本来、自然界に存在するものであって、決して人間がゼロから創りだしたものではない。
人間が、その存在に"気づき"、"組み合わせたもの"にほかならないのだ。

自然界には、もともと"専門分野"などというものは存在しないわけだから、ある学問を追求すればするほど、人間が都合のいいように定義した分野を越えて幅広くなっていくのもうなづける。

パスカルもまた、人間のあり方や自然の仕組みを理解しようと悩みぬいた者のひとり。

彼はある時期、学問追求の途中で、計算機の研究にとりつかれた。

もちろん、現在、私たちの手元にある計算機を発明できたわけではないが、その時の研究をきっかけに偶然発明された"幸運をもたらす装置"は、現在も私たちが目にすることができる。

それは、まず宮廷内において使われるようになり、やがて一般の家庭にも流行はおよんだ。

そして、その装置の前に立つ時、私たちもパスカルと同様に悩むことになる。

"幸運をもたらす装置"・・・それは普通「ルーレット」と呼ばれている。


参考文献:「なんでも第一号」びっくりデータ情報部=編 青春出版社=刊

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