Episode No.1463(20030501)： 二者択一 スピルバーグ監督が アカデミー賞受賞作『シンドラーのリスト』について 「この企画は10年あたためた。 なぜ10年あたためる必要があったかといえば もっと自分自身が人格者にならなければ とても作れないと強く感じていたんだ」 ・・・と言っている話は前にもしたけど、 その後には、こんな言葉がある。 「まず、親にならなければならないと思った」 そして・・・ 『シンドラーのリスト』の原作を手にしてから3年後、 スビルバーグは親になった。 何も子供がいる、いないということを 問題にするつもりはない。 いるならいるなりに、 いないならいないなりに、わかることはあると思し、 子供を持たない人格者だって大勢いる。 ただ・・・ このスピルバーグのコメントを聞く限り やっぱり、スピルバーグの人間として凄いところは “できる”か“できないか”ということではなく、 “今はできない”そして“だから、こうしよう” ・・・という方向を見い出し、 それに向かって行動するところにあるのだろう。 今の自分をよく知っていれば 結論を急ぐことが、 いかに無意味で無謀なことかもわかるはず。 なのに・・・ 一生懸命、悩んだつもりでいると つい、二者択一のドツボにはまる。 大切なのは、AかBかを選ぶことではなく AもBもあるという現実を認めること。 選んだつもりで・・・ 実際には選ばなかった方に対して 目をつぶっているだけだからね。 ようするに・・・バランス感覚なんだ。 もう少し高いところを歩こうと思ったら もっと上手にバランスをとる訓練が 真っ先に必要だ・・・ということじゃない?!