Episode No.6948(20201117)：[信条]Creed
人間を描くということ

大好きな
二代広沢虎造の次郎長伝
…そのエピソードの１つが
頭をよぎった

醤油屋善助の首とりの話

ちょっとした誤解が元で次郎長は
醤油屋善助と異名をとる親分の元へ
子分を使いに出すことになる

善助の行いに腹を立てている
強い子分を使いにやると
ケンカになりかねない

そこで次郎長は子分の中でも
とくに弱々しい２人を
あえて使いに出すことにした

ところが
弱いからという理由で
使いに出された子分は面白くない

こうなったら
みんなを見返してやろうと思い立ち
親分の言いつけを守らずに
善助の首をとってきてしまう

驚いた次郎長
こんなことをしてしまっては
街道に血の雨が
降ることになりかねない

しかし次郎長は
さすがに東海道一の大親分

首をとった子分を差しだして
保身をはかるようにことはしない

弱い弱いと馬鹿にし過ぎた自分が悪かった
…と反省し
自ら命がけで謝罪に乗り込む

もちろんこの浪曲話は
歴史をヒントにして
虎造とパートナーの
今でいう放送作家が作り出した
フィクションではあるが…

後々まで残る物語には
普遍的な人間哲学が
決して説教くさくなく
実にうまく織り込まれている

そういう物語を作った
…ということは間違いなく歴史に残る

だから、人生日々更新