でじたけの「人生日々更新」出し惜しみのない人生

Episode No.5832(20170425)[偉人]Great man

出し惜しみのない人生
The power that is overwhelming to win is necessary

近頃の美術館はSNSでの口コミ拡散を意識して、
撮影可の場所を用意していたりする。

しかし、この圧倒的な大きさのキャンバスを
観客を入れずに撮ることは、まず不可能だ。

国立新美術館で「ミュシャ展」を観て来た。
1階ではまだ「草間彌生展」が開かれていて
館内は大賑わいだった。

アルフォンス・マリア・ミュシャは、
アール・ヌーヴォーを代表するグラフィックデザイナー。
…と、Wukipediaに説明されている。

画家…ではなく
グラフィックデザイナー…というところがミソ。

日本の元号でいえば
明治中期から昭和初期にかけて活躍したミュシャは、
劇場のポスターや広告、本の表紙などをデザインした。

そのイラストやデザインは、古さを感じさせない。

今、駅の売店に積まれている
コミック雑誌の表紙に描かれていても、
まったく違和感がないくらいだろう。

印刷されることを前提にハッキリと描かれた輪郭は、
絵画というより劇画と言った方が
今の我々にはわかりやすいかもしれない。

晩年、自らの理想を元に16年かけて描かれた
連作「スラヴ叙事詩」が今回の展覧会の目玉だったが、
映画のスクリーンほどの大きさに手描きされた世界には、
ただ圧倒されるばかり。

圧倒的…というと、
力尽くの意味もないではないが、
決してそうではない
大自然を目の当たりにした時に使う
圧倒的…という意味合いを「スラヴ叙事詩」には感じる。

中途半端に遠慮することが謙虚さではない。
圧倒的なものを作り出してなお、
偉ぶったところがないのが本当の謙虚さだと思う。

だから、人生日々更新。

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