自分を繕う
Affectation

今はもう付き合いのなくなってしまった、
かつての知人に…
寅さんみたいになりたかった人がいる。

その気持ちは、
同じ寅さん好きの自分にも、よくわかる。

しかして、自分とその人の違いは、
結果的に寅さんの何処か好きか…という点だった。

自分のことを顧みず(あるいは棚に上げて)、
他人のために奔走する日本人的なところが
寅さんというキャラクターの愛すべきところだと
…自分は思う。

その人も根本的に、
大きな変わりはないだろうけれど…。

その人の場合には、
だらしがなくても、何処か憎めない、
そんなキャラクターが好きだったし、
…そうありたいと思ったことだろう。

そして、美人にはモテないけど、
子供や動物には好かれる…みたいな、ね。

しかし、いくらそう見せたがっても、
むしろ美人以上に誤魔化しがきかないのが
子供や動物で…決して子供には好かれなかった。

そんな風に見られたい
…という気持ちそのものが、
自己中心的な考え方だから、
寅さんのようにはいかなかったね。

その人はきっと淋しい人だった。
そして、愛されたい人だったに違いない。

愛されたければ、
愛される自分を作るしかない。

愛される自分とは…
なりふりかまわず、
何かを熱烈に愛している自分だよ。

だから…人生、日々更新。