動機
Motive.
およそ表現することの動機は、
自分の満たされぬ思いを、
どうにか埋めようとすることにあるように思う。
それがたとえ人生の後輩に向けた
教育を目的としたものであれ、
自分の持てる知識を伝えたいという
欲求がなければペンを進めることはできないだろう。
外出先で見た景色を
スマホで撮影してSNSに上げるのも、
今自分はここにいる。
ここで、こういうものを見ている
…ということを知ってもらいたいという
欲求の表れにほかならない。
大げさに言えば、人は皆、
自分の生きた証を残そうと必至なのだ。
それが認められないのが淋しさであり、
たとえ見知らぬ誰かであっても、
認めてくれる人がいれば幸せを感じられる。
ところが、
こうして表現することが容易になった今…。
黙っていても、
受け入れてもらえないことに変わりはないが、
安易に表現したところで、
拒絶されることが明白になるだけ
…ということもある。
表現をする上で忘れてならないのは、
表現をする責任である。
ありのままの自分を受け入れてもらおう
…とするだけでは、
赤ん坊が泣いているのと同じじゃないか。
赤ん坊の頃を過ぎてなお、
赤ん坊の真似をする者を
受け入れてくれるのは実の親だけだ。
つまり、
安易な方法で、そう簡単に幸せはつかめない
…ということだな。
だから…人生、日々更新。
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