本音
The true intention.
橋下大阪知事の“従軍慰安婦”発言問題。
…つくづく難しい問題だと思う。
米軍兵による婦女暴行事件が後を絶たない。
だったら、風俗の利用を推進せよ。
…確かに本音ではそうだと思う。
しかし、それが
“従軍慰安婦”発言と言われてしまうと、
別な問題のイメージが強くなってしまう。
つまり…
軍による強制的な“従軍慰安婦”問題。
強制的な…となれば、
戦争のために女性を犠牲にしていいのか
…と誰もが思う。
それは、許されないことだからね。
橋下知事や特定の政党に
肩入れする気はさらさらないけれど、
橋下知事の言う“風俗の利用”と
“従軍慰安婦”は、かなり意味合いの違う話だろう。
何せ“風俗”は
営利目的で民間が行っている商売だからね。
実際、それで生活している人もあるわけだし。
このところ…
「唐人お吉」とか「岩亀楼の亀遊」のことを
いろいろ調べていたので、
今回の橋下知事発言のニュースを見るにつけ、
人類はまったく進歩していない…と改めて感じたりする。
むしろ、“必要悪”を認めていた
祖先たちの方が人間として素直だったとさえ思う。
まぁ、素直がすべて正しいとは言いがたいし、
幕府が吉原を、政府が赤線を運営していた時代は、
さすがに原始的すぎるとも考えられるけれど。
でも…世の中に“必要悪”はある。
酒だって、煙草だって…そうだし、ね。
すべてを封じ込めようとすれば、
その力は別な逃げ道を作ろうとする…。
それを社会がコントロールできないと
…物騒な世の中になってしまいかねない。
結局、問題を大きくしているのは
発言の内容ではなく、
本音を言った政治家と、
選挙をにらむライバルたちのバトルだとも思う。
…いつものことでね。
研究者や評論家は、
正しい意見を口にするのが商売だろうけど…
政治家は必ずしもそうじゃないんじゃないかな。
政治家の仕事は…
国民が暮らしやすい社会を作ることで、
その目的のためには、
聞かれたことを
ベラベラ喋るのがいいとも限らないだろう。
どんなに正しいことであったとしても、
立場によっては軽々しく口にしてはいけないことがある。
そこは、うまくやらないとね。
日常的にも、よくやっちゃうでしょ?!
目的を忘れて、
言いたいことだけ言って、
気を済まそうとするようなことが、ね。
だから…人生、日々更新。
Copyright 1998-2013 digitake.com. All Rights Reserved.
|