物騒なタイトルだよね。

この言葉を最近、耳にしたのは、
北野武第一回監督作品
「その男、凶暴につき」の映画解説。

「物語」を読んでいたら、
「その男〜」が懐かしくなって、
YouTubeを叩いてみたら出てきたもの。

曰く…
北野映画は自殺願望に満ちている。

確かに主人公は、いつも死に急いでいる。
生を否定するかのような暴力の連続。
そして…やっぱり死ぬ。

作者の心情を投影している部分も
少なからずあるんだろうな…。
でも、それを映画という作品に昇華することで
生きるバランスをとっているようにも思う。

11月25日に初めて「憂国忌」に行って来た。
三島由紀夫の追悼会だ。

そこで避けて通れない話が…切腹について。

どうせ死ぬなら、
何か大義のために死のうとする武士道精神は、
見ようによっては狂気の沙汰かもしれないけれど…。

例えば、親が子供のために
身を削っていくのも、
考えようによっては…死を急いでるようにも思う。

むろん、北野映画の主人公たちのように
死ぬことが目的ではないだろうけれど…
命を削るようなことをするのが
生き甲斐であることに…変わりはないかもしれない。

ビートたけしも言ってたよね。
健康のためなら死んでもいい。

そして生前、三島由紀夫はインタビューで、
こんなことを言っている。

自分のためだけに生きられるほど
人は強くはないんです。

自分のためだけに生きようとすれば空しく、
他人のために生きようとすれば命を削る。

…ま、
年寄りだけじゃなく、
今日生まれたばかりの赤ん坊だって、
誰もがこの瞬間、
死に向かっていることに変わりはない。

…故に、命に意味を持たせることを模索する。

だから…人生、日々更新。