週末は久しぶりに美術館へ足を運んだ。
損保ジャパン東郷青児美術館
薔薇と光の画家…アンリ・ル・シダネル展。
会場に入るとすぐに胸像があった。
このサリーちゃんパパに似たフランスの画家は、
20世紀初頭に活躍した。
1901年…
ロダンの紹介で、
中世の面影が残るジェルブロワという田舎の村に
駆け落ちで結ばれた女房と
幼い子供を連れて移り住んだ。
シダネルは、古き良きフランスの景色を描いた。
フランスのごく普通の家庭が持っている
暖かな家族のテーブルも丹念に描いた。
やがて、荒れ果てていた庭を整備し薔薇を植えた。
彼の薔薇園はたいそう評判を呼んだ。
その薔薇園を描いた絵も人気になった。
村の人々も彼に共感して
村中を薔薇で飾り立てるようになった。
彼は頻繁に友人たちを招いては村を案内した。
過去の宗教戦争の影響で荒れ果て、
忘れられていた田舎の村、ジェルブロワは現在、
フランスでもっとも美しい村の一つと言われている。
やっぱり…シダネルは
サリーちゃんパパに似ているだけではなく、
本当に魔法使いだったのかもしれない。
シダネルが薔薇と筆を使ってかけた魔法は
今も人々を楽しませている。