さて、生涯に与えられた時間もとうに半ばを過ぎて、
もういいかげん
人生の素人ではいられなくなった今…。

試行錯誤と数多くの失敗から
導き出された結論のひとつは…
大人力とは持久力である、ということ。

何せ世の中で一番強いのは持続する力で、
故に自然はもろいようでいて最も強いのだ。

一度や二度…
せいぜい三度くらいまでなら
勢いと瞬発力で何とかなるけれど、
それが十年、二十年と食っていくタネにはなり得ない。

若さは馬鹿さで、
自分を天才だと勘違いすることが、
夢と挫折への入口。

この年になって、毎日のように
スポーツクラブで泳いでいて思うのは…
今よりはるかに体力があったであろう十年、二十年前より
明らかに激しい運動をしていても、
ちゃんと続けられるようになっていること。

無論、十年、二十年前から、
少しでも続けていたことが、
その大きな要因であることは間違いないけれど、
若い時のように、
簡単には諦めなくなったのが一番の理由。

諦めたくなる時を超え、
その先に至上の達成感があることを
全身が覚えているのだ。

だから、何をやるにせよ、
若い時に味わう最初の苦痛から
逃げ出すか、逃げ出さないかが、
その後の十年、二十年を決める重要な別れ目となる。

持久力を高める方法はただ一つ。
それを行う意味など決して考えないこと。
考えて出した結論は概して単なる逃げ口上だから。

百日、繰り返さないとわからないことは、
どんなに勉強したって
百日経たないとわからない。

勉強は何かをしなくてもすむコツ
…を学ぶことではなくて
何かをずっと続けるために必要なものだろ。

来年を待つな…今年はまだ終わってない。