気分がいい時に見る花は、実に美しく見える。
むしゃくしゃしてる時には、
ろくに花など見ずに、蹴散らしたくなることもある。

咲いてる花は何も変わらない。
変わっているのは自分だけ…
さらに言えば気分だけなんだ。

花だけじゃない。
風も気温も何もかも。
触れる自分が勝手にあーだこーだと感じてるだけ。

まともな時計はいつも、
1時間を60分で示し、1分を60秒で示している。

それなのに、
長く感じたり、短く感じたり。
イライラしたり、ハラハラしたり。

…勝手にバタバタしてるだけ。

チャップリンは人生について、
クローズアップで見たら悲劇だが、
ロングショットで見れば喜劇だ。
…と言ったが、まさにその通り。

滑稽だよな、実に。

気分という、この不確かな、
それでいて最も重くのしかかるもので
自分は動かされたり、立ち止まったりしている。

そうしておきながら、
それを他人に説明しようと努力して言い訳をする。

どうせ努力するのなら…
言い訳しないことに努力すればいいはずなのに、さ。

世の中が理屈通りに動かないのは、
人間が理屈通りに動けないからで…
親しみをもってそれを受け止められる時もあれば、
苛立ちをもって否定したくなる時もある。

…まさに気分で、ね。

Tweet