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Episode No.120(990114):人生は刑務所

今日、1月14日は三島由紀夫の誕生日である。

正確に言えば、三島由紀夫と名のった男、平岡公威(きみたけ)の誕生日である。
三島由紀夫というペンネームを初めて使ったのは16歳になってからのことだ。

昔読んだある本に、三島由紀夫が自決の日を11月25日と決めたのは、彼が信ずる輪廻転生の教えで何十日目かに生まれ変わるというのがあって、11月25日から数えてその何十日目というのを見てみると、ちょう ど1月14日、つまり三島の誕生日にあたる・・・というようなことが書かれていた。

今日は、この話をもう少し詳しく書けるように、さっきまで"その本"を物置から探したが、さっぱり見つからない。

かわりに出てきたのは丹波哲郎の「霊界〜」と名のつく本ばかり。
一時は、けっこうハマッて読んだものだ。

丹波哲郎が書いた・・・というと、テレビに出てくるあのキャラクターから、ついつい真剣に受け取れない人も少なくないと思うが、私の場合、かつて身近な友人を事故で亡くしたことがあり、その後、その友人がしばしば夢にあらわれては、誰も目撃者がいなかった事故の話や、いわゆる死後の話をした・・・という経 験がある。
丹波哲郎が説明するいくつかの話に非常に似たものがあったので興味を覚えたわけだ。

死ぬのは怖くない。死後の世界はすばらしい・・・という丹波哲郎だが、決して早く死になさいとは言って いない。むしろ、自殺は大罪だと説いている。

この世は修行の場。いわば刑務所にいるも同然。だから、つらいことも多いが、リッパに勤め上げれば天国が待っている。
自殺するというのは、刑務所から脱走するようなもので、そんなことをするとあの世でさらなる苦しみが待っている・・・というワケ。

あの世が本当にあるのか、ないのか。それは死んでみないとわからないが、やっぱり何処に行っても逃げま わっているだけじゃダメそうだ。

しかし、そんなことが書かれた丹波哲郎の本の著者プロフィールに「映画界には"殺人容疑者"で主演デビュ ー」と書かれていたのは、やっぱりちょっと笑ってしまった。


参考資料:「霊言の書」丹波哲郎=著 廣済堂=刊 ほか

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