40代も半ばを越えた頃から
急激に本が読みづらくなってくる。
…完全に老眼だ。

これまでは、
かなりいいかげんな姿勢でいても
手元が見づらくなるなんてことはなかったのに、
なかなか焦点が定まらないから、
見ようとするものの方を
手で近づけたり、遠ざけてみたりして、
焦点の合うポイントを探すハメになる。

ひょっとすると…
今自分が改めて意識しようとしている
興味の対象や
他人との距離感覚というものも…
実は若い時なら意識せずに保てたはずなのに、
感覚が衰え始めた今となっては、
かなり意識してポイントを見い出さないと
心地よい距離を
つかみにくくなっているのかもしれないな。

あるいは逆に…

若い頃には感じられなかった、
あるいは見えなかった、
微妙な距離感まで感じられるようになったが為に、
ほんの少しの違いでも
居心地が悪く感じてしまうのか？

せっかく年を重ねてきたのだから、
ただ衰えてゆくばかりでなくて、
若い時にはわからなかったことが
少しはわかるようになっていたいものだ。

最も…
わかるようになることが幸せとは限らず、
知らなかった方が楽だった
…ということは少なくないんだよな。

いずれにしても…
若い頃と同じ距離にいては
落ち着かなくなっていることは確かだ、ね。