Episode No.3744(20100824)
実録トラブル体験談
巨大組織との仁義なき戦い-digitake.com 公に知られた大きな組織は極めて常識的で紳士的、付き合っていて安心感がある…なんて思い込んでいたら大間違い!

組織が大きくなればなるほど個人の責任感は希薄となり、そこには社会の常識を逸脱した独善的な常識が存在する。しかし、それを作り出しているのも、そこにいる個々の人間たちなのだ。


02 欲に打ち砕かれた理想

時々、テレビのニュースで東京地方裁判所が映し出されると…ちょっと懐かしい気がする。決して、いい思い出ではないが、いろんな意味で勉強になる出来事だった。

今から4〜5年ほど前。
私は或る会社を訴えて、この東京地方裁判所から度々呼び出しを受けた。

私が訴えた会社はC社という。
C社は大手上場企業の子会社で、その代表的な製品名は、聞けば誰でも知っているメーカーである。

それまで、うちの会社はC社のある部門のプロモーションを請け負っていた。
具体的にはマーケティング戦略づくりから、さまざまなカタログの制作。サポートセンターの運営代行までを行い、C社からの申し出により業務委託契約を交わしていた。

非常に良好な関係を結んでいて、うちがプロモーションを行っていた分野の業績も伸びていたのだが…今思えば、すべてはC社の親会社のお家騒動からはじまっていた。

当時、C社の社長だったA氏は親会社から来た大変優秀な方。
通常、親会社の役員が子会社の社長になるというのは引退の花道&税金対策のようなものだが、A氏の場合には比較的年も若く、志も高かった。子会社の業績を回復させた後には、再び親会社に戻って、親会社の社長になる可能性さえ噂されていた。

そこに横やりを入れたのが、A氏をC社に送り込んだ社長を引退させ、親会社の社長に登りつめたB氏。このB氏…聞くところによると他人を蹴落とすダーティーなやり方で出世街道を走ってきた悪評高い人物らしい。その行く末は後にテレビのニュースで知ることになるのだが…。

ともあれ当時は絶対権力者だったB氏としては、A氏に戻ってこられては自分の地位が危ないと踏んだのか、例によってあれやこれやと理由をつけてA氏を更迭に近い状態で引退させ、代わりに腹心の部下をC社に送り込んできた。

親会社の話は後に知ったことで又聞きの又聞きだが、この通常では理解しがたい社長交代劇の後、うちの仕事にも直接影響が出てきたことは確かだ。そして20年近く友好関係が続いていたC社と、まさかの訴訟事件にまで発展することになる。

世の中、正しければ勝てると思っていたら大間違い。戦争を引き合いに出すまでもなく、時には悪魔の方が世の中をねじ曲げる力を持っている。
しかし、強引にねじ曲げても、元に戻ろうとするのが自然の力。

業績を上げていたA氏の首を切った親会社の社長B氏は、その後、或る事件の責任者として辞任するはめになった。もちろん私は直接会ったことはないが、記者会見で頭を下げているところだけはニュースで見た。

業界を震撼させる事件だったので詳しく話せば「ああ、あれか」と思いす人も多いだろうけれど、今回の主旨とは違うので伏せておくことにする。

ただ、その事件で同じ業界の社長が続投したにもかかわらず、唯一B氏だけが辞任に追い込まれたということは…やっぱり敵を作りすぎたんだろう。まさに因果応報と思われても無理はない。

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