さて、連休直前に偶然買った
2冊の文庫本について…
読書好きな女子社員に話すと
一言「偏りすぎですよ」と言われた。
一冊は…
『閃光』
永瀬準介=著/角川文庫=刊
表紙にあの三億円強奪事件の
白バイ警官の写真が出ていたのが目を引いた。
三億円事件の真相を小説化したもので、
2010年夏には映画が公開されるらしい。
もう一冊は…
『「兵士」になれなかった三島由紀夫』
杉山隆男=著/小学館文庫=刊
今まで多くを語られることがなかった
三島由紀夫が自衛隊に体験入隊した時の話を当時の教官らによる取材でまとめたルポだ。
三億円事件(1968年12月10日)が起きたのは、私が小学校に入学した年の話で…
その後、時効成立で世間の話題に上ったのは、小学校を卒業した頃。
そして三島事件(1970年11月25日)が起きたのも
ほぼ同じ時代だった。
物心がつき、
ようやく自分で何かを考えるようになった頃
出会った2つの事件には痛烈な印象がある。
もちろん小学校に入ったばかりの子供に、
その意味や真相などわかるはずもないのだが、
意味や真相がわからないままでいるのは、
何も子供に限ったことではなかったろう。
…だから、こうして2010年になる今でも
多くを語られることになったのだと思う。
奇しくも「昭和の日」に購入したこの2冊は、
昭和の後半…
戦争を知らない昭和生まれの我々にとって、
昭和を語るうえで
はずすことのできない出来事に違いない。
…確かに「偏って」はいるけど、ね。
子供の頃に感じた疑問は、
今もなお、ひっかかり続け、
答えを知りたいという気持ちであふれている。