Episode No.3333(20090502)
品格とインテリジェンス

それは都心の一等地にある立派なオフィスビルである。

比較的新しから壁も床もピカピカ。
まるでドラマに出てくる大企業のようで実に近代的。
各国の大使館などが多い地域なので、
外国人ビジネスマンの行き交う姿も珍しくはない。

そんなインテリジェンスに満ちたオフィスビルの
トイレに貼られた注意書きが…これだ↓






















飲食禁止

小学生だって便所で飯は食わないだろ。
でも、こういう注意書きが必要だということは、
そういう人がいて困る…ということにほかならない。

ほかにもロビーに置かれたテーブルに
同様の注意書きがあったが、まさかトイレにまで。
確かにキレイで落ち着くトイレだけど、ね。

漫画家の黒鉄ヒロシさんは、
辛口コメンテーターとして知られてもいるが、
そんな黒鉄さんが「紳士」とは何かという問いに対して

「一人で風呂に入っていても、
 浴室で絶対にションベンをしないこと」

…と答えていた。言い得て妙。

以前も書いたけど、かつて
「一流ホテルとは何か?」というテーマで、
或る一流といわれるホテルの支配人を取材したことがある。

支配人の答えは…
「お客様が一流であること」だった。

先のオフィスビルの場合、
あんまりビルがキレイだから
そこで働く人ではなく、
近所の人やあるいはホームレスが入り込んで
…ということも一瞬考えたが、
いや、入口各所には警備員も立っているから、
そんなことはないだろう。

一見、ドラマに出てくるような
格好いいビジネスマンが
トイレにしゃがみ込んで、
コンビニで買ってきたおにぎりか何かを
無心に頬張っている姿は何とも情けない。

学校の成績やビジネスのスキルと
品格はまた別物なのか。

数値には表れないから隠しやすいだろうが…

品格がそなわっていなければ、
やがて見透かされてしまうだろうし、
その程度の体裁に騙されてくれる相手は、
たいした相手でもなければ、
頼りになる相手でもない。

独りでいる時、カッコよくなけりゃ…
本物じゃないよな。


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