あちこち桜が満開だ。
桜の花が栄えて見えるのは、 同時に緑が色濃くなっている証拠でもある。
こうして道すがらに桜を仰ぐと、 意外と自然が残されていることに驚く。
自然にふれると心が和むのは何故か?
それは人間も自然の一部だからに違いない。
ひょっとしたら以前書いたかもしれないが …こんな話を聞いたことがある。
ほ乳類が母親のおなかの中で命を授かって 生まれてくるまでの時間と… 命を失った肉体が土に還っていく時間は同じ。
森の中で動物の死体が腐敗していく様子を 丹念に撮り続けたカメラマンが気づいたことらしい。
さすがに 樹海で自殺者の遺体を撮ることはなかったろうけれど、 その理屈でいけば人間の遺体は 10月10日かけて土に戻るというわけだ。
最もこういう話に感性がマッチするのは 薔薇を愛する西洋人の方で… 最も美しい時にパッと散る桜を愛する日本人には ピンこ来ない話なのかもしれない。