約束するということは
・・・夢をみることかもしれないね。
だって・・・
将来のことなど
何ひとつ確実な保証はないんだから。
今夜、事故に遭うかもしれないし、
明日、大地震が来るかもしれない。
そういった
誰にも平等にある前提のうえで、
誰かと何かを約束するというのは、
大げさに言えば、
お互いに「こうなったらいいな」
・・・という共通の夢に向けての誓いでしょ。
つまり・・・
約束すらできない人は、
夢など、とても追えないし
・・・当然、実現もできないってことだ。
実はまだ未読なんだけど、
三島由紀夫の作品に、こんな話があるという。
戦時中・・・
若いカップルがデートの約束をする。
だけど、毎日のように爆弾が降ってくるから、
待ち合わせの場所が
待ち合わせた日にあるかどうかはわからない。
もちろん自分たちだって
・・・無事でいられるかどうかわからない。
そういう状況の中で・・・恋心は激しく燃える。
さて戦争が終わって・・・
よほどのことがない限り、
約束した場所はいつも平穏だし、
生きるか死ぬかという思いがなくなると
・・・あの時の恋心もとたんに冷めてしまった。
恋人同士に限らず
仲間というのは、
同じ方向に向かって戦っている人間同士に違いない。
約束とは同じ方向に向かって戦うことでもある。
中には億劫な約束もあるけど、ね。
億劫なのに、やらなきゃならないのは
・・・たいてい自分のせいだけど、さ。