さまざまな歴史を紐解いてみると、
当然のとこながら、
すべての出来事はつながっていて
偶然など一つもなく、
すべてが必然だった、と思えてくる。
その必然と必然が、
しばしば交差して・・・
奇遇としか言いようのない出来事が起こる。
引き続きリンカーンの話・・・。
第16代アメリカ大統領リンカーンには
4人の子供がいた。
残念ながら下の3人は
大人になることなく、この世を去っている。
長男のロバートは
多忙な父親との接点は極めて少なかったが、
父親のかつての職業と同じく弁護士となった。
その長男が若い頃・・・
汽車の事故に巻き込まれたことがある。
詳細は定かではないが・・・
その時に、彼を救ってくれたのは
エドウィンという英国人。
エドウィンの家は演劇一家で、
エドウィン自身、
アメリカで初めて脚本通りに演じた
本格派シェイクスピア俳優として
人気を博した男だった。
エドウィンには5つ下に弟がいた。
弟のジョンも俳優だったが・・・
簡単に言えば、うだつの上がらない俳優。
しかし、この弟ジョンの方が
歴史に名をとどめることになった。
リンカーンの長男を
事故から救った男の弟・・・
ジョン・ウィルクス・ブースこそ
リンカーン大統領を暗殺した男だったのだ。
兄のエドウィン・ブースは、
弟の犯した大罪・・・そして愛妻の病死と、
2度の人生の挫折に見舞われ、
2度とも演劇界を引退までしたが
・・・その後、カムバックをはたし、
騎兵隊に囲まれ弟が射殺された28年後の
1983年に亡くなった。
その時、エドウィンが救った
リンカーンの長男は
アメリカ合衆国陸軍長官になっていた。