Episode No.3235(20090108)
真意の所在

私は現在、幾多もの保険に加入しているが、
保険の約款というものを読んだことがない。

すべて保険顧問任せにしているので、
とくに問題もないのだが・・・
細かく書かれた約款を
じっくり読んだ、という人にも会ったことはない。

ようするに・・・
読ませないために
読みづらく書かれているのが約款。

時折、その約款のようなメールをもらい
・・・閉口してしまうことがある。

書いたから読んでもらえるわけではない
・・・という教訓は、
仕事で広告の文章を書いた経験から
痛いほどよくわかる。

一方的な話に嫌気が差すのと同じだ。

書いた側、あるいはしゃべった側は、
それですっきりした気分になるかもしれないが、
何のことはない・・・
ストレスを相手に投げただけの話。

まるで、他人に風邪をうつして
自分だけ治ろうとしているに過ぎない。

筆を重ねれば重ねるほど・・・
話せば話すほど・・・
今自分が発した内容を補うため、
自分の正しさを裏付けるために
盾のような言葉を重ねたり・・・
今自分が発した意見に自分で興奮したり。
いわばヒステリックな状態だ。

何かを伝えるという
本来の目的を見失った言葉は、
結果、相手を不機嫌にさせるだけで
コミュニケーションの役には立っていない。

下書きは安易に他人に見せるものではない、な。