Episode No.3224(20081226)
登山路

山の頂上はひとつだが登山路はいくつもある。

・・・これが、
宗教の違いに対するガンディーの考え、だという。

頂上にある自然や人間の心理は、
どんな宗教の教えを通して学んでも、
結局は同じだという考えだ。

だから・・・
どの登山路を登らないと意味がない
・・・といった意見や、
どの登山路の方がいい、といった争いは
無益なことだ・・・ということだろう。

皮肉にもガンディーは、
こうした宗教間の争いが元で
暗殺されてしまったのだけれど。

宗教的な感覚について
私はほとんど知らないが・・・
前にも書いたとおり、
企業家だろうが、芸術家だろうが、
起業家だろうか、スポーツ選手だろうが、
最終的に言っていることは同じだと、
私も常々感じていた。

それが私の中の
ガンディー的な部分なのかな。

確かに・・・
多くの人の生活を支える企業を作った経営者と
金メダリストは、どちらが偉い、なんてことは
・・・言えないものな。

ともすれば・・・
優れた職業=いくら稼げるか
・・・ということになりがち。

結果として大勢の人たちに受けいけられれば
金は後からついてくるものだから、
それもひとつの目安には違いないが・・・
もうひとつ、ガンディーの代表的な思想である
禁欲主義からすると、それさえも
ほとんど意味を持たないように思えてくる。

この不安だらけの人生を生きていくうえで、
数字としてはっきり現れるは、
私を含め多くの人たちにとって、
いわば宗教的にすがりたいものなのかもしれない。

だけど、それも・・・
しょせん登山路のひとつに過ぎないな。